「立位保持が困難な人の適切なトイレ介助方法がわからない」と悩む人は多いです。立位保持が困難な人に不適切な介助を行うと、転倒のリスクが高まります。転倒を防ぐためにも、適切な介助が重要です。この記事では、立位保持が困難な人のトイレ介助の流れや介助方法、注意点、福祉用具の活用方法について解説します。
記事を読むと、適切な介助方法を理解でき、安全にトイレ介助を行えるようになります。適切な介助方法を学び、介護の質を向上させましょう。
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立位保持が困難となる主な理由は、筋力低下や神経系の機能低下
高齢者や身体に障害がある人は、立位保持が困難になります。立位保持が困難となる主な理由は、筋力低下や神経系の機能低下です。筋力低下や神経系の機能低下が生じる主な原因は、以下のとおりです。
筋力低下の主な原因 | 神経系の機能低下が生じる主な原因 |
加齢 | 脳卒中 |
関節疾患(関節の変形など) | パーキンソン病 |
骨粗鬆症 | 脊髄損傷 |
骨折 | 抹消神経障害 |
長期間臥床による筋力低下や薬の副作用も立位保持が困難となる原因になります。病気にかかっていなくても、日中の活動量が低下していれば、廃用性筋力低下(※)を生じるため注意が必要です。筋力低下や神経系の機能低下によって、痛みが生じたり、バランス能力が低下したりするため、介助量が増加します。
立位保持困難となっている原因を理解すると、適切なケアや支援が行えます。立位保持が困難な人の介助は、個々の状況に応じて対応することが重要です。
※ 廃用性筋力低下とは、活動量の低下により、筋肉を動かさない状態が長期間続くと生じる筋力低下のことです。
立位保持が困難になると、転倒のリスクが高くなる
立位保持が困難になる主な原因は、筋力低下や神経系の機能低下であるため、転倒のリスクが高くなります。立位保持が困難になると出現する症状は、以下のとおりです。
- バランスを崩しやすい
- ふらつきや動揺が出現する
- 支えなしで立位保持ができない
立地保持が困難になる症状が出現すると、介助者がいなければ転倒するリスクが高くなります。トイレ使用時はトイレ内で方向転換したり、ズボンの上げ下げの動作をしたりする必要があるため転倒に注意が必要です。介護従事者は、症状を注意深く観察し、適切な支援を行う必要があります。
立位保持が困難な人のトイレ介助の流れ
立位保持が困難な人のトイレ介助の流れは、以下のとおりです。
- 安全な環境を整える
- 立ち上がりを介助する
- トイレまで移動する
- ゆっくりと便座に座らせる
- 手すりを把持して安定させる
- 排泄後の清拭や衣服の整えを介助する
- 目的地に戻るまでサポートする
トイレ介助は、トイレ内の動作を介助するだけではありません。トイレに行くまでの動作や排泄後にリビングや寝室に戻るまでの動作も含まれます。利用者の状態に注意を払い、プライバシーに配慮しながら、できるだけ自立できるようにサポートしましょう。
安全な環境を整える
立位保持が困難な人のトイレ介助を行う場合は、安全な環境を整えることが重要です。手すりや歩行補助具を使用したり、動線を確認したりして安全な環境を整える必要があります。環境を整える際は、以下の点に注意してください。
確認事項 | 確認するポイント |
トイレまでの動線 | 段差の有無、歩行補助具が使用可能な広さがあるか |
手すりの設置状況 | 手すりの位置が適切であるか |
手すりの強度や固定の状態 | しっかりと固定されているか |
歩行器や杖の調整 | 使用者に適した高さになっているか |
滑り止めマットの有無 | 立ち上がる際に滑りにくい環境になっているか |
トイレ内の障害物の有無 | 方向転換が可能なスペースがあるか |
照明の確認 | 人感センサーかどうか |
緊急時用の呼び出しボタンの有無 | 呼び出しボタンがあるか |
トイレ内では、便器に座る際や水栓レバーで排泄物を流す際に、方向転換を行います。方向転換動作は立位保持が困難な人にとっては難易度が高く、転倒するリスクがあります。水栓レバーではなくボタンタイプであれば、方向転換する必要がなくなるため、おすすめです。
便座の高さや手すりの位置が適切な位置になければ、立ち上がりや立位保持が困難になります。証明が人感センサーであれば、夜間でも自動で明るくなるため、安全性が高まります。自立支援のためには、安全性と使いやすさを両立させた環境を提供することが重要です。
環境を整える際は、利用者と一緒に行い、動作確認を何度も行ってください。
立ち上がりを介助する
利用者にトイレに行くことを伝えて、了承を得てから介助を始めます。説明せずに介助を開始すると、不信感を与えます。立ち上がる前に、利用者には浅く座ってもらい、足はしっかりと引いてもらいましょう。
立ち上がる際の重心移動が少なくなり、立ち上がりやすくなります。脇の下に手を入れる場合は、脇の部分に手が当たらないようにしてください。脇の下には腋窩神経があるため、圧迫すると上肢に痺れが生じます。
立ち上がりを介助する際は、体を前傾させながら行ってください。座った姿勢の状態で真上に介助すると、介助量が大きくなり腰痛などの関節痛の原因になります。利用者の体格が大きく、体重が重い場合は、介護ベルトを使用すると安全に支えられます。介護ベルトを使用する際は、使用方法を学んでから使用しましょう。
自立支援を促す場合は、利用者の残存機能を生かしながら介助することが重要です。
トイレまで移動する
立位保持が困難な人の多くは、歩行能力も低下しています。トイレまでの移動で転倒することもあるため注意が必要です。トイレまで歩いて移動する際は、杖や歩行器を使用したり、手すりを設置したりして安全に移動しましょう。トイレに移動する際の介助ポイントは、バランスを崩しても支えられる位置で介助することです。
手を伸ばして支えられる位置で介助してください。杖や歩行器を使用している場合は、利用者に合っているかを観察しながら介助します。杖や歩行器を使用していてもふらつきがある場合は、別の方法を考える必要があります。
スタッフ間で情報を共有したり、担当のケアマネージャーに相談したりして、利用者が安全に移動できるように対策してください。
ゆっくりと便座に座らせる
立位保持が困難な人は、足の筋力が低下しています。便座に早く座るために、勢いよく座る人は多いです。勢いよく座ると腰への負担が大きく、高齢者や骨粗鬆症の人は圧迫骨折を引き起こす可能性があります。便座に近づいたら、便座の位置を伝えて、ゆっくりと座ることを説明しながら介助してください。
トイレ内に手すりが設置されていれば、手すりを持ってもらいましょう。立位保持が困難な人でも、適切に介助したり、福祉用具を使用したりすると、安全にトイレを使用できます。トイレ内では、利用者の尊厳を守りながら安全に介助してください。
手すりを把持して安定させる
便座は椅子よりも座った姿勢が不安定になります。椅子は殿部が座面に着いていますが、便座は排泄の関係上、殿部と座面との接触面積が低下します。座った姿勢が安定している人でも便座では不安定になる人がいるため、注意してください。手すりを把持したり、介助者が身体を支えたりして、座位を安定させましょう。
手すりを把持して、座位が安定すると精神的に安心できます。座位の安定性は、手すりの位置によって変化します。手すりのチェックポイントは、以下のとおりです。
- 手すりはどんな種類か(縦手すり、横手すり、L字型、据え置き型)
- 手すりはどこに位置しているか(左側、右側、正面)
立ち座りや座位を安定させるためには、縦手すりと横手すりを組み合わせたL字型手すりが適しています。縦手すりは便器先端から200~300mm、横手すりは便器上端から220~250mmの位置が好ましいです。
座位が安定していても、排便ショック(※)が起こる可能性があるため、利用者の状態には常に注意してください。適度に声かけして意識があるか確認することが重要です。利用者の状態によっては、介助者が利用者の身体を支える必要があります。排泄中に同席することになるため、利用者の尊厳には注意して対応してください。
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※ 排便ショックとは、排便後に血圧が低下して失神を起こすことです。
排泄後の清拭や衣服の整えを介助する
排泄後の清拭や衣類の整えは、利用者の尊厳を守りながら行うことが重要です。清拭を介助する場合は、利用者に必要かどうか確認して許可をもらってから行います。おしりふきを使用する際、冷たく感じることがあるため、清拭の前に伝えます。
» 介護でおしりふきを暖めるメリットや方法を解説!
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清拭が不十分な場合、感染症のリスクが高くなるため、清拭後は清潔になっているか確認が必要です。立位保持が困難な人は、衣類を整える際に介助が必要です。衣類を整える際には、手を支持物から離す必要があるため、転倒するリスクが高まります。手すりがあれば、手すりを把持してもらい安全な環境で介助してください。
手すりを片手で把持して立位が安定する人は、手すりを交互に持ち替えながら衣類を整えられます。過介助にならないように、自分でできることは行ってもらいましょう。
» 排泄介助の種類と手順、注意すべきポイントを解説!
目的地に戻るまでサポートする
トイレからリビングや寝室など目的地に戻る際、転倒しないように介助します。手洗い場がトイレにない場合は、洗面所まで移動する必要があります。手洗いの際は杖や歩行器、手すりで身体を支えられないため、後方や側方から介助して、転倒を予防しましょう。
リビングや寝室などの目的地に到着したら、以下の手順で利用者の体調を確認してください。
- 体調の変化がないか確認する
- 手首で脈拍を確認する
- 水分摂取する
脈拍は手首の橈骨動脈に触れて拍動があるか確認します。橈骨動脈の拍動が確認できれば、収縮期血圧(※)は80mmHg以上あります。
拍動が確認できない場合や拍動があっても声かけに対して反応が低下している場合は、血圧を測定してください。排泄後は身体の水分量が低下しているため、水分摂取を促します。周辺の環境を確認して、安全が確認できれば介助を終了します。
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※ 収縮期血圧とは、心臓が収縮し血液を全身に送り出すときに血管にかかる圧力のことです。最高血圧とも言われます。
立位保持が困難な人のトイレ介助方法
立位保持が困難な人のトイレ介助方法は、身体の状態やトイレの環境によって変えることが重要です。主な介助方法は、以下の3つです。
- 身体を支える介助方法
- 手すりを使用する介助方法
- 車椅子を利用する場合の介助方法
利用者の状態や環境に合わせて最適な方法を選択し、安全にトイレ介助を行いましょう。
身体を支える介助方法
身体を支える介助方法は、立位保持が困難な人の中でも、比較的足の筋力が維持できている場合に選択します。軽く脇を支えていれば、立位保持ができる状態が目安です。前方から介助すると利用者の立ち上がりを妨げるので注意が必要です。
側方から両脇の下を支えて立ち上がりを介助してください。衣類を整える際は、介助した状態で利用者自身に整えてもらいましょう。衣類を整える作業に介助が必要な場合は、必ず片手は身体を支えた状態で行ってください。
片手で身体を支えられない場合は、トイレ内に手すりを設置した方が安全に介助できます。身体を支える介助方法は、利用者に常に触れているため転倒のリスクは少ないですが、利用者の羞恥心に配慮することが大切です。
手すりを使用するトイレ介助方法
手すりを使用すると、次のようなメリットがあります。
- トイレ動作を安全に行える
- 自立支援を促す効果がある
- 衣類を整える介助がしやすい
立ち上がりや立位保持を安定させるためには、縦手すりと横手すりを組み合わせたL字型手すりがおすすめです。L字型手すりは一般的に、トイレの左右どちらかの壁に設置されています。注意点としては、脳梗塞で半身に麻痺が生じ、麻痺した側に手すりが設置されている場合、使用しにくい可能性があります。
半身麻痺や骨折で、L字型手すりが使用しにくい場合は、据え置き型の手すりを使用しましょう。据え置き型の手すりは、利用者の必要なところに設置できます。手すりを使用して立位保持が可能な場合、最低限の介助でトイレ動作が行えます。自立支援を促す場合は、手すりを活用しましょう。
車椅子を利用する場合の介助方法
杖や歩行器、手すりを使用してもトイレまで移動ができない人は、車椅子でトイレ介助を行います。車椅子でトイレ介助する手順は、以下のとおりです。
- 車椅子をトイレの座面に近づけ、ブレーキをする
- 車椅子のフットレストを上げる
- 立ち上がりを介助し、ゆっくりと方向を変える
- 手すりを把持してもらい、衣類を下ろす
- ゆっくりと座面に座る
- 座位保持が安定したことを確認する
車椅子でトイレ介助を行う場合は、ブレーキのかけ忘れに注意が必要です。ブレーキをかけ忘れると、座面が動き転倒のリスクが高まります。車椅子のフットレストを下げたまま介助を行うと、足が引っかかるため必ず上げてください。便座に座る際に、車椅子の肘置きが邪魔になる場合があります。
車椅子の中には、肘置きの取り外しができるタイプもあるため、動作が阻害される場合は変更しましょう。
立位保持が困難な人のトイレ介助で使用できる福祉用具
立位保持が困難な人のトイレ介助を行う場合、適切な福祉用具を使用すると介助量が軽減し、安全性が高まります。トイレ介助で使用できる福祉用具は、以下のとおりです。
- 介護用手すり
- 滑り止めマット
- ポータブルトイレ
福祉用具を使用すると、自立支援を促せます。福祉用具は一部を除き、介護保険制度を利用して1~3割の負担額でレンタル可能です。介護保険制度を活用し、積極的に福祉用具を利用しましょう。
介護用手すり
介護用手すりは、立位保持が困難な人のトイレ介助には欠かせない福祉用具です。安全性が高く、利用者が安心してつかまれる手すりを設置すると、転倒のリスクを減らせます。利用者の状態やトイレの形状に合わせて、適切なタイプを選択しましょう。介護用手すりのタイプは以下のとおりです。
手すりの種類 | 特徴 |
固定式 | 壁にしっかり固定され、安定性が高い |
据え置き型 | 設置が簡単で移動もできる |
可動・折りたたみ式 | 使わないときに収納でき、スペースを有効活用できる |
手すりを選ぶ際は、握りやすさも重要です。滑り止め加工していると、より安全にトイレ動作を行えます。手すりの太さは直径28~35mmが握りやすいです。
耐荷重性能が高い手すりを選びましょう。壁に固定されている方が耐荷重性能が高いです。利用者の体格に合った商品を選ぶと効果的です。清掃しやすい素材や抗菌加工されている手すりを利用すると、衛生面でも安心できます。多くの手すりは介護保険制度の対象となっているため、1~3割負担で利用可能です。
手すりを適切に選ぶと、介助者も負担が軽減されるため、より効果的に介助を行えます。
≫ 鳥取県・とりネット(外部サイト)
滑り止めマット
滑り止めマットは、足が滑りやすい人におすすめです。足がすべりやすい人の特徴は、以下のとおりです。
- 足を引かずに立ち上がる
- 立ち上がる際に、膝関節が90度以上曲がっていない
- 立ち上がる際に、体幹が前傾できない
- 手すりを把持して、手の力で立ち上がろうとする
- 立位保持の際に、後方重心となる
滑り止めマットを使用する際は、滑らないように加工されているマットを選んでください。滑り止めマットが動いてしまうと、効果を発揮できません。洗濯可能な滑り止めマットを使用すると、清潔に保てるため衛生的です。滑り止めマットの注意点としては、数mmの段差ができることです。
歩行時にすり足となっている人は、つまづいてしまう可能性があるため、設置後は必ず動作確認してください。
ポータブルトイレ
ポータブルトイレは、トイレまで移動が難しい人が自室で排泄できる便利な福祉用具です。ベッドサイドや居室に設置できるため、夜間や緊急時などに便利です。ポータブルトイレが利用できる基準としては、下記の項目を参考にしてください。
- 尿意や便意がある
- 自分で起き上がりが可能であり、移乗動作が安定している
- 衣類の操作が自分でできる
- 座位保持が安定している
ポータブルトイレは、直接肌が触れるため、レンタルはできません。利用する場合は購入になりますが、ポータブルトイレは特定福祉用具購入費の支給対象であるため、介護保険を利用できます。ポータブルトイレの注意点は、使用後に速やかに清掃しないと、部屋に臭いが残ることです。
ポータブルトイレ用の消臭液を使用すると、臭いを抑えられます。ポータブルトイレは定期的な清掃と消毒が必要ですが、適切に管理すれば衛生的に使用可能です。利用者の身体状況に合わせて形状やサイズも選べるため、安全面にも優れています。
ポータブルトイレを使用すると、トイレまでの移動が難しい方でも安心して排泄できるため、介助者の負担も軽減されます。
» 介護用ポータブルトイレの種類と選び方を解説!
立位保持が困難な人のトイレ介助をする際の注意点
立位保持が困難な人のトイレ介助をする際の注意点は、以下の3つです。
- バランスを崩しても支えられる準備をする
- プライバシーを尊重する
- 自尊心に配慮する
転倒リスクに注意しながら、できる限り自立を促し、安全で尊厳に配慮した支援が求められます。
バランスを崩しても支えられる準備をする
立位保持が困難な人は、転倒リスクが高いです。トイレ動作中にバランスを崩して転倒しないように、常に支えられる準備をする必要があります。バランスを崩しても支えられるように、以下の点に注意して介助を行いましょう。
注意点 | 説明 |
介助者の立ち位置 | 利用者の近くで介助を行う |
ふらつきへの対応 | ふらつきがあることを常に意識しておく |
移乗時や立ち座り動作時 | 足を動かすときや立ち座り動作時は転倒のリスクが高いため注意する |
基本的に利用者の近くで介助しますが、利用者のトイレ動作を妨げないように注意が必要です。近づき過ぎると圧迫感を与えてしまいます。手を伸ばして利用者を支えられる位置を目安にしてください。利用者がふらついた際、介助者の手が反射的に伸びますが、利用者に手が届かないと転倒します。
トイレ動作や介助を安全に行うためには、環境にも配慮が必要です。トイレ周辺に障害物がないか事前に確認しておきましょう。
プライバシーを尊重する
トイレ介助では、利用者のプライバシーと尊厳を守る必要があります。安心して介助が受けられるように、次のような配慮を行いましょう。
- 不必要な会話は控える
- 露出を最小限にする
- 必要以上の接触を避ける
- 外で待機する
トイレ介助は同性介護が基本ですが、病院や施設の人員の都合で異性になることもあります。異性になる場合は、事前に利用者に説明して、承諾を得ることが重要です。トイレ動作を介助する際は、介助の必要性を説明し、羞恥心に配慮した声かけをすると、利用者の心理的負担を軽減できます。
便座の座位姿勢が安定している場合は、利用者に説明し外での待機も選択肢の一つです。外で待機する場合は、排泄が終わった後、立ち上がる前に介助者を呼ぶことを説明してください。
» 介護現場でプライバシー保護が重要な理由と保護する方法を解説!
自尊心に配慮する
トイレ介助では、自尊心を守る必要があります。利用者が介助を受けながら、自立した行動ができるよう配慮しましょう。声かけしながら介助し、利用者の意志を尊重します。トイレ動作中、利用者が不安を感じていないか、表情や反応に気を配ることも重要です。
トイレ動作の手順がわからないと、バランスを崩しやすくなり不安になります。手順をわかりやすく説明し、利用者の不安を解消しましょう。トイレ動作に対して不安が解消されると、自立心が向上するため、自尊心が保たれます。自尊心に配慮すると、介護者から信頼を得られ、より質の高い介護サービスを提供できます。
» 介護における尊厳とは?守るための基本と具体例を解説!
まとめ
立位保持が困難な人のトイレ介助方法やトイレ介助の際に便利な福祉用具について、解説しました。立位保持が困難な人は転倒のリスクが高いため、トイレ動作に介助が必要になります。立位保持が困難な人のトイレ介助方法のポイントは、以下のとおりです。
- 動線が安全か確認する
- 立ち上がりの介助はゆっくりと行う
- バランスを崩しても支えられる位置で介助する
- プライバシーや自尊心に配慮する
適切な介助を行うと、立位保持が困難な人でもトイレで排泄できます。より安全に介助するためには、手すりや滑り止めマットなどの福祉用具を活用しましょう。トイレまで移動に時間がかかったり、夜間トイレに何度も行ったりする人は、ポータブルトイレを利用すると負担を軽減できます。
車椅子利用者のトイレ介助を行う際は、ブレーキのかけ忘れやフットサポートの上げ忘れがないように注意が必要です。トイレ介助は転倒に注意するだけではなく、利用者のプライバシーと自尊心の配慮も重要です。適切な介助を行いつつ、プライバシーや自尊心に配慮し安全にトイレ動作の介助を行いましょう。
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