
排泄介助の仕事は介護の現場では避けて通れません。排泄ケアは身体的な負担が大きく、夜間の対応も必要なため介護者の睡眠を妨げます。排泄ケアの課題を解決するのが自動排泄処理装置です。寝たままの状態で排泄でき、自動的に処理まで行えます。
この記事では、自動排泄処理装置の基本的な機能から選び方、利用時の注意点まで詳しく解説します。記事を読めば、自動排泄処理装置の選び方や費用がわかります。介護の現場で役立つ情報が満載ですので、導入をご検討の方はぜひ参考にしてください。
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自動排泄処理装置の基礎知識

自動排泄処理装置は、介護現場の排泄ケアを大きく変える可能性を持つ福祉用具です。2012年に介護保険の対象となって以来、利用者は徐々に増加し、2017年時点で約12,500件の利用があります。自動排泄処理装置の基礎知識の基礎知識として、仕組みや機能を見てみましょう。
自動排泄処理装置とは寝たままの状態で排泄を処理する装置
自動排泄処理装置は「特殊尿器」とも呼ばれ、排泄物を自動的に処理する装置です。本体には排泄物を吸引するためのポンプと処理タンクが内蔵されています。排泄物を受け止めるレシーバーと呼ばれる部品を通じて処理を行います。レシーバーを装着することで、寝たままの状態でも排泄が可能です。
装置には尿のみを処理するタイプと、尿と便の両方に対応したタイプがあります。使用方法はシンプルで、レシーバーを装着すると排泄物を自動的に感知して吸引を開始します。吸引された排泄物は本体のタンクに送られるので、衛生的に処理が可能です。
自動排泄処理装置のおかげで、介護者は頻繁な排泄介助から解放され、利用者も気兼ねなく排泄できます。清潔さを保ちながら、双方の負担を大幅に軽減できる画期的な福祉用具です。
自動排泄処理装置の基本機能
自動排泄処理装置には、快適な排泄ケアを実現するためのさまざまな機能が備わっています。主な機能は以下のとおりです。
- 排泄物の自動検知と吸引
- 洗浄・乾燥機能
- 排泄物の密閉処理
- 温度調節機能
- 防臭・抗菌機能
- 使用履歴の記録機能
上記の機能により、24時間体制で衛生的な排泄ケアができます。排泄物の自動検知は重要な機能で、センサーが排泄を感知すると即座に吸引を開始します。洗浄・乾燥機能を備えた機種では、局部を清潔に保てて、皮膚トラブルの予防にも効果的です。
使用履歴の記録機能は、利用者の健康状態の把握や適切なケアプランの作成に役立ちます。それぞれの機能を組み合わせることで、より快適で効率的な排泄ケアが実現可能です。
自動排泄処理装置を利用するメリット

自動排泄処理装置を導入することで、介護の質が大きく向上します。介護者の負担軽減はもちろん、利用者の快適性も高まり、より良い介護環境を作れます。主なメリットは以下のとおりです。
- 衛生状態の改善と褥瘡予防
- 利用者の心理的負担の軽減
- 介護者の身体的・精神的負担の軽減
- 夜間介護の負担軽減
- 感染症リスクの低下
上記のメリットにより、介護者と利用者の双方にとって、より良い介護環境を実現できます。夜間の排泄ケアが自動化されることで双方の睡眠の質が向上し、日中の活動にも良い影響を与えます。
衛生管理の向上
自動排泄処理装置の最大のメリットは、衛生状態を常に良好に保てることです。排泄物を即座に処理することで、皮膚への刺激を最小限に抑え、褥瘡などのトラブルを予防できます。従来のおむつ介護では避けられなかった肌トラブルのリスクが大幅に減少します。
洗浄・乾燥機能を備えた機種では、局部を清潔に保つことが可能です。細菌の繁殖を防ぎ、感染症のリスクも低下します。防臭機能により介護環境の快適性も向上します。定期的な洗浄により、常に清潔な状態を維持できることは、利用者の尊厳を守るうえでも重要な要素です。
利用者のストレス軽減

自動排泄処理装置を使用することで、利用者の精神的な負担を大きく軽減できます。排泄の際に介護者を呼ぶ必要がなく、気兼ねなく自分のペースで排泄できることは、利用者の自尊心を守るうえで重要です。夜間の排泄時に介護者を起こすことへの申し訳なさから解放されます。
排泄の心配が減るので、水分を十分に摂取できるのもメリットです。従来は夜間の排泄を気にして水分摂取を控えがちでしたが、自動排泄処理装置があれば安心して必要な水分を摂取できます。快適な排泄環境が整うことで、利用者の生活の質が大きく向上します。
介護者の負担軽減
介護者の負担軽減は、自動排泄処理装置の重要なメリットの一つです。負担軽減効果は以下のとおりです。
- 排泄介助の回数減少
- 夜間の介護負担軽減
- 腰痛リスクの低下
- 感染症リスクの軽減
- 業務効率の向上
夜間の介護負担が減ることは、介護者の生活の質を大きく向上させます。十分な睡眠時間が確保できることで、日中の介護にも余裕を持って取り組めます。排泄物に直接触れる機会が減ることで、感染症のリスクも低下します。介護者の精神的・身体的な負担が大幅に軽減されるので、より質の高い介護サービスの提供が可能です。
自動排泄処理装置の種類

自動排泄処理装置には、利用者の状態や介護環境に応じてさまざまな種類があります。主な種類は以下のとおりです。
- 尿と便を分離して処理するタイプ
- 吸引式と洗浄式の組み合わせ
- ポータブルタイプ
- ベッド一体型
- 車椅子用
それぞれの種類には特徴があり、利用者の状態や生活環境に合わせて選択することが重要です。介護保険の適用条件も種類によって異なるため、導入前によく確認しましょう。
スカットクリーン
スカットクリーンは、パラマウントベッド社が開発した自動排泄処理装置です。尿と便を自動的に吸引・洗浄・乾燥する機能を備え、静音設計も特徴の一つです。温水洗浄と温風乾燥機能により、局部を清潔に保てます。
複数のサイズ展開があり、利用者の体型に合わせて選べるのも特徴です。操作はリモコンで簡単に行え、洗浄水の温度も調整できます。防水・抗菌加工された素材を使用しているため、衛生面でも安心です。使用状況をモニタリングできる機能も搭載されており、適切な管理が実現します。
ドリーマー

ドリーマーは、日本セイフティー株式会社が開発した自動排泄処理装置です。尿と便の分離処理が可能で、便を密閉カセットに収納する独自の機能を持ちます。水を使用しない処理方式を採用しており、尿は蒸発乾燥処理を行います。防臭・抗菌機能と静音設計も特徴です。
複数のサイズから選択可能で、利用者の体型に合わせて最適なものを選べます。定期的なメンテナンスは必要であるものの、使用方法は簡単で、初めての方でも扱いやすい設計です。介護保険の対象となっているため、レンタルでの利用も可能です。
その他の種類
自動排泄処理装置には、上記以外にもさまざまな種類があります。利用者の状態や使用環境に応じて選べる主な種類は以下のとおりです。
- エアーマット型(褥瘡予防効果あり)
- ポータブル型(持ち運び可能)
- 車椅子用(移動中も使用可能)
- ベッド一体型(設置が簡単)
- 尿のみ対応型(シンプルで使いやすい)
エアーマット型は体圧分散効果があり、褥瘡予防に効果的です。ポータブル型は外出時や旅行先でも使用でき、活動範囲を広げられます。車椅子用は移動中の排泄にも対応し、より自由な生活をサポートします。各タイプには特徴があるため、生活スタイルに合わせて選択することが重要です。
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自動排泄処理装置の選び方

自動排泄処理装置を選ぶ際は、利用者の状態や生活環境に合わせて適切な機種を選びましょう。サイズや機能、使用場所など、さまざまな観点から検討する方法を紹介します。
サイズ
自動排泄処理装置のサイズ選びで重要なポイントは、以下のとおりです。
- ベッドのサイズとの適合性
- 利用者の体格への適合
- 設置場所のスペース
- レシーバー部分の大きさ
- タンクの容量
自動排泄処理装置は、ベッドからはみ出さない適切なサイズを選ぶことが大切です。利用者の体格に合わせてレシーバーのサイズを選択することで、快適な使用感が得られます。
設置場所のスペースも考慮に入れ、日常的な作業に支障が出ないようにしましょう。標準タイプとコンパクトタイプがありますが、部屋の広さや配置によって最適なものを選びます。
機能

自動排泄処理装置には、さまざまな便利な機能があります。主な機能は以下のとおりです。
- 排泄物の吸引・洗浄・乾燥機能
- 温度調整機能
- 自動センサー検知
- 消臭・抗菌機能
- 静音設計
- 使用履歴記録機能
上記の機能の中から、利用者の状態や介護環境に合わせて必要なものを選びます。排泄物の処理方式や洗浄方式は特に重要です。夜間の使用を考慮すると静音性も大切なポイントです。使用履歴の記録機能は、健康管理や介護計画の見直しに役立ちます。
使用場所
自動排泄処理装置の使用場所として適している環境は以下のとおりです。
- 医療施設や介護施設の病室
- 在宅介護の寝室
- リハビリテーション施設
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
使用場所を選ぶ際は、電源や給排水設備の有無を確認する必要があります。メンテナンスのしやすさも考慮に入れましょう。在宅で使用する場合は、生活動線を妨げない配置を考えましょう。施設での使用では、複数の利用者に対応できる配置や管理方法を検討することが重要です。
介護保険と自動排泄処理装置の費用

自動排泄処理装置の導入にあたっては、介護保険の適用が可能です。適切な条件で利用することで、費用負担を抑えられます。介護保険の適用範囲と費用の目安を見てみましょう。
介護保険の適用範囲
自動排泄処理装置の本体は、介護保険における福祉用具貸与の対象です。ただし、適用条件は装置の種類によって異なります。尿のみを処理する装置は要支援1から要介護5まで幅広く対象になります。尿と便の両方に対応した装置は要介護4・5の方のみが対象です。
レシーバーなどの交換可能部品は、特定福祉用具販売として購入が必要です。交換可能部品についても介護保険の対象になり、所得に応じて1割から3割の自己負担で購入できます。医師の意見書が必要な場合もあるため、ケアマネジャーに相談しながら手続きを進めることが大切です。
費用の目安
項目 | 費用(介護保険適用前) | 自己負担(1割の場合) |
本体レンタル(尿のみ) | 月額1万5,000円前後 | 月額1,500円前後 |
本体レンタル(尿・便) | 月額3万円前後 | 月額3,000円前後 |
交換部品 | 2~10万円 | 2,000~1万円 |
費用は機種や利用方法によって異なります。本体は購入よりもレンタルを選択することで、初期費用を抑えられます。消耗品やメンテナンス費用も考慮に入れましょう。費用面での不安がある場合は、各自治体の独自助成制度の利用も検討しましょう。
自動排泄処理装置を利用するときの注意点

自動排泄処理装置を効果的に利用するためには、いくつかの注意点があります。作動音や体位による吸引効率の変化には注意が必要です。各注意点と対策方法について見てみましょう。
作動音が大きい場合がある
自動排泄処理装置使用時の作動音に関する注意点は、以下のとおりです。
- モーターやポンプの動作音に注意
- 夜間使用時の音への配慮
- 設置場所による音の反響
- 静音モードの活用
- 定期的なメンテナンス
機種によって異なりますが、作動時には一定の音が発生します。夜間は音が気になりやすいため、設置場所を工夫したり、静音性の高い機種を選んだりすることが大切です。定期的なメンテナンスを行うことで、不必要な音の発生を防げます。
身体の傾きによっては吸引率が低下することがある
自動排泄処理装置の吸引効率は、利用者の体位によって大きく変化します。側臥位(横向き)の場合、吸引が十分に行えません。利用者の体位に合わせて装置の位置を適切に調整することが重要です。
体位変換が必要な場合は、装置の一時的な取り外しも検討します。介護者は利用者の体位と装置の位置関係を常に確認し、必要に応じて調整を行うことが大切です。吸引効率が低下する場合は、手動での補助が必要です。
自動排泄処理装置に関するよくある質問

自動排泄処理装置の導入を検討する際、多くの方が同じような疑問を持ちます。多い質問について詳しく解説します。メンテナンスやレンタルに関する疑問を解消し、より良い選択をしましょう。
どれくらいの頻度でメンテナンスが必要?
自動排泄処理装置のメンテナンス項目と頻度は以下のとおりです。
- タンクの洗浄:1日1回
- フィルター交換:月1回程度
- 尿石除去:月1回程度
- チューブ交換:3か月に1回
- 専門業者による点検:年1~2回
日常的な清掃や消耗品の交換は、装置の性能維持に欠かせません。タンクの洗浄は毎日行い、衛生状態を保つことが大切です。フィルターや尿石除去は使用頻度によって交換時期が変わります。
専門業者による定期点検を受けることで、トラブルを未然に防ぎ、長期的な使用が可能です。メンテナンス方法は機種によって異なるため、取扱説明書をよく確認しましょう。
レンタルはできる?
自動排泄処理装置は介護保険の福祉用具貸与として、レンタルが可能です。レンタルを利用することで、初期費用を抑えながら必要な期間だけ使用できます。多くの介護用品レンタル会社で取り扱っており、通常1か月単位での契約です。
レンタルには試用期間を設けている業者もあるため、実際に使用してから長期契約を検討できます。レンタル料金は機種によって異なりますが、介護保険を利用すれば自己負担は1割から3割で済みます。ただし、レシーバーなどの消耗品は別途購入が必要です。長期利用を考えている場合でも、レンタルから始めましょう。
まとめ

自動排泄処理装置は、介護現場の排泄ケアを大きく改善する福祉用具です。利用者の尊厳を守りながら快適な排泄環境を提供し、同時に介護者の負担も軽減します。機種の選択は、利用者の状態や使用環境に合わせて慎重に行うことが大切です。
導入の際は介護保険の適用条件をよく確認し、必要に応じてレンタルの活用も検討しましょう。適切な使用とメンテナンスを行うことで、より良い介護環境を実現できます。介護の質を向上させる自動排泄処理装置の導入を、ぜひ前向きに検討してください。
» 排泄介助の種類と手順、注意すべきポイントを解説!
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